環境への取り組み

冷凍空調機器における冷媒の「見える化」について

冷媒の「見える化」の背景

現在、販売されているエアコンをはじめ冷凍・空調機器には、ハイドロフルオロカーボン(HFC)が冷媒として封入されています。HFCは、オゾン層破壊物質であるクロロフルオロカーボン(CFC)やハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)などに代替する冷媒として幅広く使用されています。

HFCは、使用することで高い運転効率を得られるだけではなく、オゾン層も破壊しないなど優れた冷媒ですが、地球温暖化係数(同量の二酸化炭素(CO2)に比べた温暖化効果の度合い)が1300〜4000と高く、大気中に放出された場合、地球温暖化に強い影響を与えます。例えば1kgのHFCが大気中に放出されると、1300kg〜4000kgの二酸化炭素が放出されたのと同じ温暖化影響を与えることになります。そのため、HFCは、温暖化ガスとして京都議定書の管理対象にもなっています。

主要機器に含まれるHFC冷媒の二酸化炭素換算値(概数)について、一例をあげれば以下の通りです。

  冷媒充てん量(kg) 充てん量のCO2換算値(kg)
家庭用エアコン 1 2,000
店舗用エアコン 4 8,000
ビル用エアコン 20 40,000
別置形ショーケース 10 40,000
大型冷凍機 500 700,000

このように、冷媒充てん量の二酸化炭素換算値は大きな量になります。したがって、冷凍・空調機器の取り扱いに当たっては、廃棄時の回収や設置・使用・移設時の漏えいに十分な配慮をする必要があります。このことを一部の専門家だけではなく、多くの方々に知っていただくことが今回の「見える化」表示の目的です。

2007年の冷媒HFCの二酸化炭素換算の排出量は、11.4百万CO2tonと日本の総排出量のほぼ1%(2009年3月、経済産業省 産業構造審議会 化学・バイオ部会 地球温暖化防止対策小委員会 配布資料(公開))と大きく、今後も大幅な増大が予測されています。

こうしたことから、HFCに替わる冷媒の開発が鋭意進められているところですが、冷凍・空調機器に使用される冷媒は、毒性がないこと、可燃性や爆発性の問題がないこと、長期にわたり分解や変質を起こさないことなど多くの条件を満たすことが必要であり、いまだ、決定打がないのが実情です。

このため、少なくとも、当面は、HFCの使用を継続するほかなく、さらに、現在、市中にはHFCが充てんされた多くの機器が存在します。したがって、冷媒HFCの大気中への排出を抑制することが不可欠です。

冷媒の「見える化」により、多くの関係者の方々に、冷媒の地球温暖化に与える影響をご認識いただき、使用時や廃棄時の適切な対処を行っていただくことで、結果として冷媒の大気中への排出を抑制することは、冷媒の代替と並ぶ排出抑制対策の重要な部分です。

冷凍空調機器における冷媒の「見える化」について