海外短信 「米国では高効率機を拡販!」

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No.651 2017年6月

米国 今年の夏は暑くなる予報
販売店は電気料金の値上がりに対応して高効率機を拡販

 米国の気象予報企業アキュウェザーのレポートによると、今年の夏は米国のほとんどの地域で気温が平年を上回り大変暑くなる模様である。アキュウェザーの上級気象学者であるボブ・スマーベック氏は「4月、5月から6月にかけて北西部地域を除いて、気温は平年を上回った。7月から8月にかけては、全米のほぼ2/3の地域で平年を上回り暑い夏となるであろう」と予測している。

図1:2017年春の米国本土の気温分布

 一方、米国エネルギー情報局(EIA)は、今年の第2四半期から第3四半期にかけて住宅用の電気料金の値上がりを予測している。全米平均の電気料金は1kWhあたり第2四半期に12.66セントから12.86セントへ、第3四半期には12.81セントから13.19セントへと値上がりする見込み。
 暑い夏を迎えて電気料金が上がる見通しであることから、空調冷暖房請負業者の販売店は高効率機の拡販に的を絞っている。セントルイスの販売店ウェルシュ冷暖房のバッチ・ウェルシュ社長は「ほとんどの空調機メーカーはSEERが16から18の高効率機に販促リベートをだしている。販売店にとってこれは大きい。電力会社や空調機メーカーのリベートに呼応して我々は高効率機の販売に力を入れているが、高効率機は顧客にとっても最適な選択となっている」と述べている。

〔Air Conditioning, Heating and Refrigeration News April 3, 2017 http://www.achrnews.com/articles/134805-summer-outlook

米国ASHRAEとクウェートKFASが国際提携
基準の作成など8項目で共同作業

 米国暖房冷凍空調学会(ASHRAE)とクウェート科学振興財団(KFAS)は3月1日、二国間での8項目に及ぶ共同作業について覚書を締結した。ASHRAEとKFASは、情報交換、主要な会議における相手国の招待、ASHRAEの世界支部の活用、共同による基準の作成、教育訓練計画の作成、相手国の技術委員会に参加による技術活動の整合化、および調査研究の共同実施を行う。またASHRAEの出版物をアラビア語に翻訳すると共に、本やその他の出版物を共同して作成する。
 ASHRAEのジャーン・オルセン次期会長は「KFASは科学技術の進歩に貢献している。彼らと共同して作業することはASHRAEの精神に合致しており、KFASとの作業を楽しみにしている」と述べている。KFASの代表であるアドナン・シハブ・エルディン博士も「この覚書では、調査研究の促進と普及、共同研究への投資機会の提供、ASHRAEとの定期的な会合、大会への参加と講演など重要なことが定められた」と覚書の意義を強調している。

(ASHRAE Mar 3, 2017 https://www.ashrae.org/news/2017/ashrae-and-kfas-sign-agreement-of-understanding )
〔Air Conditioning, Heating and Refrigeration News March 27,2017〕

スペイン 高GWP冷媒へ課税

 スペインではスーパーマーケットが冷媒についての新たな規制に取り組む必要に迫られている。2017年1月1日、冷媒に対する新たな課税が施行された。地球温暖化係数(GWP)の大きな冷媒が課税の対象となっている。
 クライマライフの執行役員であるメルセデス・サークエラ氏がインタビューに答えてスペインにおける冷媒への課税制度を説明している。
● 課税水準はGWPの値に基づいており、GWP1に対して0.02ユーロ(約2.5円)課税される。100ユーロ(約12,400円)を上限としている。
● GWPが150以上の全ての温室効果ガスが課税対象。
● 2014年1月から導入され、初年度は税率が軽減されたが2015年、2016年の3年間で税率は引き上げられ、現在は100%の課税レベルとなっている。
● 現在はR404A 1kgについて75.68ユーロ(約9,400円)課税されている。
「課税により開始当初から市場は崩壊したが、強いて前向きの効果を挙げるならば、これにより高GWP冷媒の代替研究が加速したことである」とサークエラ氏は述べている。
〔JARN, April 25 2017〕

世界のスマート・ホームの市場規模は2017年に158億ドルに達すると予測

 英国の建築設備研究情報協会(BSRIA)は2017年のスマート・ホームと小規模商業市場の世界の伸び率を20%と予測している。最も伸び率が高いのは英国で29%となっている。1月の調査では市場を機器単体と住宅設備全体に分けた。またシステム統合とサービス・メンテナンスの伸びについても分析している。
 2017年の世界の市場規模は158億ドル(約1兆74百億円)と予測している。米国が最大の市場であり全体の29%の構成比となっている。米国市場は成熟しているにもかかわらず世界と同じ20%の伸びが見込まれ、機器単体では27%と最大の伸びとなっている。
 調査は中国、フランス、ドイツ、オランダ、北米、および英国の国別レポートをもとにしている。

〔Air Conditioning, Heating and Refrigeration News
April 10,2017〕

世界の空調機の市場規模は2022年に1,550億ドルに達する見込み
“贅沢品から実用品へ”
 所得の上昇に伴って、世界で住宅と商業分野での空調機に対する需要が増大している。空調機は贅沢品というより実用品となってきた。主要な市場はアジア-太平洋地域であり、インフラ開発が急速に進み、住宅分野での空調機の普及が高まっている。
 調査会社TechSciリサーチのレポート「世界の空調機市場:製品別、地域別、競合と機会、2012-2022」によると、世界の空調機市場は2022年までに1,550億ドル(約17兆円)に達する。所得の上昇、地球温暖化、建設ブーム、および技術革新が世界での空調機の需要を押し上げている。

(レポート http://www.reportlinker.com/p04760611/Global-Air-Conditioners-Market-By-Product-Type-By-Region-Competition-Forecast-Opportunities.html
〔Air Conditioning, Heating and Refrigeration News March 27,2017〕

中国 オンラインで購入した家電製品の無条件での返品方針を公表

 中国の国家産業商業管理局は3月15日、オンラインで購入した家電製品について、7日間の無条件返品方針を公表した。
 中国では家電製品の購入後のサービスは困難であることが多かった。オンラインで購入した家電製品の7日以内での返品を受け付ける販売店はわずかであり、不合理で厳しい独自の返品期間を設けていた。
 新たな方針では、返品可能な製品は、無傷であり、性能、機能、付属品、トレードマークが販売当初と同じであることとなっている。梱包が開封されていることは返品を拒否する理由にはならない。新たな方針は返品の要領と関連する返金についても定めている。

〔JARN, April 25 2017〕

バーチャル・リアリティ(VR)の活用が冷凍空調分野でも増加

 2017年にラスヴェガスで開催されたAHR国際展示会ではいくつかの製造業者が彼らのブースで、いかに現在のバーチャル・リアリティ(VR)技術が、製品のデモンストレーション、販売、および訓練などに活用できるかを説明していた。ヴィクトリック社の配管サービスの役員であるアマンダ・コミュナーレ氏は「VRが冷凍空調産業において果たす役割が増えてきている」と語っている。「据付前に現場を新たな方法で見ることができる。VRを用いると現場の据付作業者とオフィスにいる設備設計者とが同じ方法で情報を交換できる」と述べている。
 タイタス社の先進的ビジネス開発の役員であるジェニー・シビー氏によると「VRはこれまでゲームに使用されてきたが、多くの人が本格的な活用を図りだしている。冷凍空調分野では教育訓練にVRを活用することが多いが、これは手始めであり、空調技術者、設備業者、建築設計者はVRを用いて空間やシステムを確認することができる。VRの価格が下がるにつれて、冷凍空調でも使用される頻度が増えていくであろう」と述べている。

写真1:VRを体験している様子

〔Air Conditioning, Heating and Refrigeration News April 10, 2017 http://www.achrnews.com/articles/134822-virtual-realitys-growing-role-in-the-hvac-industry