こちらでは、2017年6月2日に開催されました総会の懇親会の様子を坪久田会長と来賓で経済産業省製造産業局産業機械課の片岡産機課長のあいさつを中心に紹
海外短信クローズアップ 「米国における住宅用R-410Aの将来性は?」
No.651 2017年6月
しかし、R-410AはHFCであり、モントリオール議定書のキガリ改正では米国を含む先進国は、2019年までにHFCの消費量の削減を開始することを合意している。キガリ改正は、米国議会で批准されなければならないが、HFCの消費を2047年までに85%削減することになっている。
米国のHFCに関わる主要な企業から構成されている責任ある大気方針連盟は、環境負荷の少ない新たな技術の開発と商品化を約束してきている。
またR-410AはGWPが2,088であり、カリフォルニア州大気資源局(CARB)の冷媒管理プログラムではGWPが150以上の冷媒は規制対象となっている。
最終的に、新規チラー用途ではSNAP(大気浄化法の重要新規代替物質政策)プログラムのリストから外される見込みである。
R-410Aの使用は続けられるのであろうか。
冷媒メーカーの見解は
アルケマのグローバル・ビジネス役員であるマシュー・リッター氏は「R-410Aは新しい空調機に使用され続けるであろう。既存の機器へのサービスではさらに長い期間使用されるであろう。EPAからキガリ改正に対応した国内計画はまだ発表されていない。しかし市場において低GWP冷媒へのニーズがあれば代替品を提供する」と述べている。
ビル規則での微燃性冷媒の規定制定を待つ
「2024年まで冷媒で大きな動きがあるとは思われない。その時までに微燃性冷媒の使用が規定されたら、業務用の方で先に使用されるであろう。住宅用ではR-410Aの使用が続く公算が高い。従ってEPAの段階的削減が続く限り、R-410Aの将来は確かなもののようにみえる。トランプ政権ではHFC冷媒の段階的削減の優先順位は高くない」とディートリッヒ氏は述べている。
しかし産業界は研究開発を続けており、ディートリッヒ氏は「EPAが消極的であっても世界は前に進んでいる。ダイキンは環境負荷の小さい低GWP冷媒製品の開発を続けていく」と語っている。
〔出典Air Conditioning, Heating and Refrigeration News March 13, 2017:Is R-410A here to Stay? http://www.achrnews.com/articles/134672-is-r-410a-here-to-stay 〕