米国 今夏R-410Aの価格が高止まり中国からの原材料供給不足と米国のダンピング防止関税が要因 米国の設備業者がR-410Aの高騰に苦慮している。昨?
微燃性冷媒の安全使用への取組みを強くアピール 第39回OEWG
No.652 2017年8月
■OEWG41(2019年7月 オーストリア・ウィーン)の記事はこちら
■OEWG40(2018年7月 オーストリア・ウィーン)の記事はこちら
■OEWG39 (2017年7月 タイ・バンコク)の記事はこちら
7月11日(火)から14日(金)までタイ・バンコクで国連環境計画(UNEP)主催による、モントリオール議定書締結国会合(MOP) のOEWG(公開作業部会/Open Ended Working Group)が開催されました。(写真1)
MOPは、1987年9月に採択されたオゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書に関し、197か国・地域の各政府間で決議案などを検討する場として随時開催される会議です。その傘下のOEWGでは、MOPに提案する決議案を事前協議します。現在はHCFCなどのオゾン層破壊物質の削減に加えて、HFCに代表される温室効果ガス削減が主要課題となっています。
昨年7月にウィーンで開催された第38回OEWG(OEWG38)に続き、10月ルワンダ・キガリで開催されたMOP28にて、HFCを規制対象に追加するキガリ改正を合意しました。
今回のOEWG39会議会場となったUN ESCAP Conference Centerはアジアにある国連の会議場のひとつで、バンコク市内に位置しています。セキュリティの高い複合施設で、会議への参加登録をした上で、空港で行われるような身体荷物検査を受けなければ入館出来ません。(写真2)
会議には約500名の政府関係者及び業界関係者、環境関連NGOなどが出席しました。11月にモントリオールで開催されるMOP29に先駆け、先進国と開発途上国が一堂に会し非常に活発な議論が交わされました。(写真3)
今回は、前向きな協議となったものの、具体的な合意には至りませんでしたがMOP29に向けて、さらに交渉が継続されることとなりました。
また、OEWG前日の7月10日には、UNEP主催にて低GWP代替冷媒使用に向けた安全規格に関しワークショップを開催しました。各国代表団が低GWP代替冷媒に関する理解を深められるよう、4セッションに分けてプレゼン・パネルディスカッション形式にて討議されました。
なお、セッション4には、パネリストとして当工業会の岡田専務が参加し、日本における産官学の連携体制により、A2L冷媒のリスクアセスメントや安全対応策、ガイドラインなどの策定を行っている旨を説明しました。また、海外の地域において対応する場合はそれぞれの地域特性に合った内容に見直すことが重要であり、日本が行った微燃性冷媒の評価や安全基準の考え方はグローバルに活用できるとアピールしました。(写真4)
パネルディスカッション風景(中央 岡田専務)
なお、OEWG開催に合わせ、業界関係者やNGOに対して各種発表や公開討論を開催する機会(サイドイベント)が与えられ、今回は20もの各種イベントが同会場内で開催されました。
当工業会のサイドイベントは7月12日に開催しました。経済産業省オゾン室・上村課長補佐、東京大学 飛原教授、当工業会岡田専務理事、当工業会ミニスプリットWG3主査の高市氏からキガリ改正を受けた法対応、A2L冷媒リスクアセスメントの結果報告及びA3冷媒の取り組みを説明いただきました。(写真5~9)
[プレゼンテーション資料は当工業会ウェブサイトで公開中]
当工業会イベントにはEU・インドの代表団のほか、多くの業界関係者など約50名が出席され、日本の事例を世界に発信する良い機会となりました。発表後の質疑応答では、業界関係者から活発で前向きな質問をいただき、有益な議論が交わされました。
写真7:東京大学 飛原教授
写真8:当工業会 ミニスプリットSWG 高市氏
写真9:当工業会 岡田専務