2月2日、日本冷凍空調学会主催の掲記セミナーに参加したため、その概要を二号(No.656、657)にわたり報告する。本セミナーは日本フルオロカーボン協
入退場や個人情報管理はICカードで ~ICカード工場見学~
No.656 2018年3月
今回、当工業会広報委員会では、HVAC&Rの入退場およびアンケート管理に大活躍したICカードを製造・販売している株式会社イーガルド様の生産工場を見学してきましたのでICカードができるまでをご紹介いたします。
ICカードの製造工程をご紹介する前にICカードの種類についてご紹介いたします。(写真1)
ICカード(アイシーカード、英: integrated circuit card; ICC)とは、情報(データ)の記録や演算をするために集積回路 (IC) を組み込んだカードのことです。国際的にはスマートカード (smart card) やチップカード (chip card) とも呼ばれ、日本では、特に演算処理機能を持つものをスマートカードと呼びます。カード内にRAM(ランダムアクセスメモリ、random access memory)やROM(リードオンリーメモリ、read only memory)、EEPROM(イースケアピーロム、electrically erasable program rom)といった半導体メモリを組み込むことにより、情報量が従来の磁気ストライプカードと比べて数十倍から数千倍になる。さらに、CPUやコプロセッサなどを内蔵することで、カード内部で情報処理が可能になるという特徴があります。
【ICカードの分類】
・非接触型ICカード
ICカードとリーダライタにアンテナを内蔵させて、電波を利用して情報のやりとりを行います。カードをリーダライタに近づけることで、リーダライタのアンテナから発生している電磁波をカード側のアンテナで受け取り、ICの動作に必要な電圧に変換することで、電源が供給され情報のやりとりができます。
・接触型ICカード
カード表面の金色に光っている部分に端子があり、ICカードをリーダライタに差し込むことで、金属と金属が触れ合って電力が供給され情報のやり取りが行われます。
【株式会社イーガルドの事業内容】
株式会社イーガルドは2007年11月に設立。主な事業内容は非接触ICカードおよびタグの企画/設計/製造/販売およびRFID(Radio Frequency Identification)システム導入コンサルタント、カード加工を手掛けています。
本社は中央区日本橋に構え、生産センターは2017年5月に日本橋から堀切(現所在地)に移転しました。工場は中国に、タイには販売代理店を構えています。
今回、工場見学させていただきました生産センターは京成本線 堀切菖蒲園駅から徒歩10分程度と通勤に便利な場所にあります(写真2、図)。
写真2:イ―ガルド外観
図:イ―ガルド所在地
今回見学したICカードの生産工程(写真3)はカード大の台紙(写真4)にアンテナ+ICを備えた部品(写真5)を挟み込んでICカードにした後、カードを圧着させるためしばらく棚に保管します(写真6)。
写真3:ICカード製造装置(1)
写真4:ICカード製造装置(2)
写真5:ICチップ+アンテナ部品
写真6:棚に保管された断裁前のICカード
出来上がったカードは次に通信工程に移し、通信の試験を実施します(写真7)。4枚同時に検査しますので、1時間に1,000~1,500枚の通信試験が可能です。
写真7:通信試験中のICカード
【ライン見学:外観検品】
通信テストを行った後、目視で外観チェックをします(写真8、9)。かなり注視して目視検査をするので一定時間毎に休憩をとるようにしているそうです。
写真8:目視検品の様子(1)
写真9:目視検品の様子(2)
写真10:厳しい検品をクリアしたICカード
写真11:完成品
普段何気なく利用しているICカードの生産工程を拝見させていただく機会をいただきました。今回の見学でICカードの特長や種類とその使い分けについて理解することができました。株式会社イーガルド様にはこの場をお借りしてお礼申し上げます。
ちなみに著者の財布にはICカードが10枚も入っていました。