オゾン層破壊効果のあるフロンの生産量・消費量の削減義務を課した「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」は1987年9月に採択された。国
当工業会会員で調査 世界のエアコン需要推定
No.657 2018年5月
2018年 4 月
一般社団法人 日本冷凍空調工業会
当工業会ではこのほど、2017年までの世界各国のエアコン需要の推定結果をまとめましたのでご紹介します。
この推定は、工業会の空調グローバル委員会が毎年行なっているもので、今回は2012年から2017年までの過去6ヵ年について主要な国ごとにまとめました。
1.概要
(1)エアコン全体
2017年の世界のエアコン全体の需要は11,056万台で、前年より8.1%増加したと推定されます。2017年の需要を日本、中国、その他アジア並びに欧州、北米などの地域に区分して見ると、最大の需要地は中国で4,595万台、前年の13.2%増と見られます。 中国の需要は世界全体の41.6%を占めることになります。 次いでアジア(日本・中国を除く)が1,730万台(5.4%増)、第3位が北米で1,532万台(4.9%増)、以下、日本が974万台(6.5%増)、中南米が677万台(4.6%増)、欧州が656万台(8.1%増)と続きます。
(2)家庭用エアコン
2017年の世界の家庭用エアコンの需要は9,605万台、前年比8.2%の増加と推定されます。 最大の需要地は中国で4,349万台、13.2%の増加であったと見られます。 次いでアジア(日本・中国を除く)が1,574万台(5.4%増)、第3位は日本で893万台(6.9%増)、以下、北米が813万台(1.2%増)、中南米が609万台(5.3%増)、欧州が583万台(8.7%増)と続きます。
(3)業務用エアコン
2017年の世界の業務用エアコンの需要は1,451万台、前年比7.5%の増と推定されます。 最大の需要地は北米で718万台、9.4%の増加であったと見られます。 次いで中国が246万台(12.9%増)、第3位はアジア(日本・中国を除く)で157万台(5.2%増)、以下、日本が82万台(3.2%増)、欧州が73万台(2.9%増)、中東が64万台(2.6%減)と続きます。
2. 調査の対象と手法
(1) 製品の範囲と区分
推定の対象にしたエアコンは、住宅・ビル等で使われるエアコンで、ユニットになったものを対象にし、ヒートポンプ式の冷暖房兼用のものを含んでいる。 ポータブル型エアコンおよび冷温水システムに用いるファンコイルユニットなどは除外した。
「家庭用エアコン」は、ウィンド型エアコンと小型のセパレート型エアコンおよび家庭用マルチエアコンの合計とした。
「業務用エアコン」は、主として業務用で中・大型のセパレート型エアコンと、リモートコンデンサ型、シングルパッケージ型のエアコンおよびビル用マルチシステムの合計とした。 北米で言うユニタリーエアコン、ユニタリーヒートポンプはここに分類される。
調査は、アンケート調査票を工業会の空調グローバル委員会参加会社に配布、回収、集計して需要推定値を求めた。