今回の海外駐在記は、荏原冷熱システム株式会社の取締役専務で当工業会の副会長、勇裕章氏の駐在体験を掲載します。台湾での駐在記を二号にわたりつづっていきま
HVAC&Rアワード「安全・快適イノベーション部門」準グランプリ 日本ピーマック
No.658 2018年7月
【日本ピーマックとは】
日本ピーマックは業務用空調機の企画・設計・製造・販売・メンテナンスおよび付帯する設備工事を行っている空調機メーカーです。昭和47年4月に設立され半世紀近くにわたり多彩な高機能空調機をご提案し、様々な建物にご採用頂いてまいりました。特にお客様の建物ニーズに合わせた小型空調機を企画・開発することにより、高い評価をいただいております。
今回は弊社の主力製品の1つで「HVAC&R JAPAN 2018」主催の「HVAC&Rアワード 安全・快適イノベーション部門」にて準グランプリを受賞したヒートポンプ付ファンコイルユニット 『PAFMAC』についてご紹介いたします。
PAFMACの特長は、2管式冷温水システムでありながら、4管式冷温水システムと同等の快適性を実現した個別空調ユニットです。2管式冷温水システムは、季節により「冷水」と「温水」を切り替える空調方式のため、利用者は冷房または暖房を自由に選択することができず、季節の変わり目には「暑い」「寒い」という室温に関するクレームが発生する原因になっていました。そこでPAFMACは、ファンコイルユニットにヒートポンプを搭載したことで、「冷水での暖房運転」「温水での冷房運転」を可能にし、年間を通して冷暖フリーを実現しました。
PAFMACは、部屋毎に利用者の好みに合わせた空調を行うことで『快適性』を飛躍的に向上させるとともに、4管式冷温水システムと比較して「配管コスト」と「送水動力コスト」を半分に抑えることができ、『経済性』の面でも大きなメリットがあります。
PAFMACのベースはファンコイルユニットですが、ヒートポンプを搭載したことにより、2管式冷温水システムでは不可能だった多様な運転モードを可能にし、ユーザーの好みにあわせた8通りの運転パターンを選択できるようにしました(「冷房」「暖房」「送風」「逆モード冷房」「逆モード暖房」「除湿」「パワフル冷房」「パワフル暖房」)。また、「逆モード運転」と並ぶPAFMACのもうひとつの大きな特長である「パワフル冷房」・「パワフル暖房」は、ファンコイルとヒートポンプの『Wコイル運転』により、「空調能力の増強」となり、真夏日・真冬日等の高負荷時や入室直後の快適温度までの到達時間短縮に効果を発揮します。
なお、同じ系統内に冷房運転と暖房運転が混在している場合は、熱回収を行うことで省エネにも寄与しています。
PAFMACは様々な空調ニーズに応えてユーザーの満足度を向上させると同時に、環境への配慮(省エネ)も行っています。
【リニューアルに最適】
ファンコイルユニットをPAFMACに改修する際は、既設の配管をそのまま利用することが可能です。施工は機器の交換のみであり、施工費を抑えることができます。また、営業しながらの部分改修が可能なので、「客室の売り止め」の負担も最小限に抑えることが出来ます。
商品ラインナップは、小面積客室から比較的大きな客室まで対応できるよう取り揃えております。また放射原理を併用した機種も取り揃えており、客室グレードに応じた「空調の差別化」にも繋がります。
実際に某大型ホテルでは、2管式冷温水システムを全館PAFMACシステムに改修したことにより、月間のクレーム発生率を0.3%まで低減させることに成功しました。(本内容は客室空調改善事例として公益社団法人空気調和・衛生工学会の会誌『空気調和・衛生工学』に紹介されました。)
【おわりに】
日本ピーマックは「人と地球にやさしい快適空間を求め、お客様のニーズに挑戦し、創造することにより社会に貢献する」を経営理念としております。この理念の下、今後もお客様のニーズにあった安全でもっと快適な空間創りへPMACは挑戦をし続けます。
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