新年最初の海外駐在記は、パナソニック株式会社・アプライアンス社QAFL 事業推進室、菅沼一郎氏の駐在体験(前編)をお届けします。インドネシアでの駐在記
賀詞交歓会 来賓挨拶
No.667 2020年1月
2020年1月10日、品川御殿山マリオットホテルにて当工業会の賀詞交歓会が開催されました。以下に経済産業省製造産業局産業機械課長 玉井 優子氏のご挨拶を掲載したします。
写真:経済産業省製造産業局産業機械課長 玉井優子氏
皆さま、新年あけましておめでとうございます。
ただいまご紹介いただきました、経済産業省産業機械課長、玉井でございます。いつも皆様には大変お世話になっております。この場をお借りして感謝申し上げます。
まず令和最初の新年ということでございますが、本年はいよいよ7月には東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。前回の東京オリンピックの際にはいろいろなインフラ整備、都市開発が進められるなかで、新幹線に代表されるように数々のイノベーションが生まれました。再び東京で大会が開催される本年も、そうした新しいイノベーション新しい技術がたくさん生み出されるような、そんな素晴らしい年になればと考えております。
ただ昨年一年を振り返りますと、一昨年に引き続き自然災害が非常に多くございました。まず被災された皆様へお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復旧を祈念いたしたいと存じます。また貴会の皆様には避難所へのクーラ―の導入、あるいは昨年度の補正予算で小中学校施設へのクーラ―の設置などに多大なご尽力をいただきましたこと、改めて感謝申し上げます。学校空調につきましては昨年9月時点で約8割に達すると聞いております。年度末には9割くらいの施設に設置できると考えており、これもひとえに皆様のご尽力のおかげでございます。ありがとうございました。
さて、世界に目を向けますと、米中覇権争いやブレクジット、中東の緊迫といったような地政学的な不確実性、不安定感が非常に高まっているように思います。またさらに気候変動など地球規模の課題が日本を取り巻いています。そしてその中で、少子高齢化による人手不足、エネルギー制約など乗り越えるべき課題が山積みになっています。こうした状況のなかでは従来の枠にとらわれない柔軟な発想やスピード感を伴うイノベーションがより一層重要になってきます。さまざまな業種や企業、機械あるいはデータ、こうしたものを介してつながる「Connected Industries」、これをこれまで以上に加速させて新しい発想、新しいチャレンジでイノベーションを生み出し様々な社会課題を解決していく「Society5.0」、これを世界に先駆けて実現して参りたいと考えております。
特に地球温暖化対策として、オゾン層保護法の改正を受けまして代替フロンの生産量、輸入量の段階的削減が始まっています。関係者の皆さまには非常に円滑に対応いただいているかと思いますが、今後さらにキガリ改正に基づく基準値を達成していくためには、さらなるイノベーションが不可欠です。新冷媒の開発につきましては世界をリードする日本の技術に注目が集まっております。経済産業省としましても、産学官の連携によって省エネと低温室効果を両立できる新冷媒の開発を、しっかり支援して参りたいと考えております。
またコネクトの鍵となるのは、デジタル技術です。製造業の将来の競争力を大きく決定づける、そういうものになっていていると感じております。今年3月には冷凍空調機器の歴史ある展示会「HVAC&R JAPAN2020」が開催されると伺っております。AIやIOTといったデジタル技術を組み合わせた新しい製品や新しいサービス、新しい技術が世界に発信されますことを非常に楽しみにしております。
また、人手不足に対応するべく昨年4月からは新しい在留資格制度の運用が開始されました。産業機械製造業を含む製造三分野ではすでに約300人を超える外国人の方が活躍されております。今月末にはインドネシアでまず熔接の試験を実施する予定になっております。今後順次各国で実施をしていく予定でおりますので、こうした新たな制度もこの人手不足のなかご活用いただければと思っております。
今年子年は干支の最初の年でもあり、新しいサイクルで新しいスタートを切る、またいろいろなものが生まれる始点になるという意味もあります。加えて貴会は昨年70周年を迎えられ、今年は71年目と新しい年がスタートしています。次なるサイクルに向け新しい技術、あるいは製品、イノベーションを生み出していただき、標準化などを通じて世界に発信していただけることを大変期待しているところでございます。
そして今年一年、ここにお集まりの皆様、冷凍空調業界の発展を祈念し、私からのご挨拶とさせていただきます。
本日はまことにおめでとうございます。
以上