海外駐在記は、前編に引き続き、当工業会 国際部 波多野次長のインド駐在体験(後編)をお届けます。前編(No.672)はこちらから 過去記事はこちらから?
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No.673 2020年11月
米国冷凍空調工業会(AHRI)スティーブ・ユーレクCEO“AHRIの標準と認証プログラムで世界の冷凍空調産業の発展に貢献”
米国冷凍空調工業会(AHRI)のスティーブ・ユーレクCEOにJARNがインタビューし、最近のAHRIの活動状況を伺った。
JARN:AHRIは数年前の中国に続いて今回アラブ首長国連邦(UAE)のドバイに事務所を開設した。AHRIの会員と認証プログラムの参加者に対する便益を増加するということだが、この地域で認証プログラムをどのように普及させるのか。
ユーレクCEO:ドバイ事務所の目的は中東および北アフリカ地域(MENA)の製造業者、標準策定者などにAHRIの標準と認証プログラムを使ってもらうことだ。基準策定のために事務所は製造業者や標準策定者など関係者の利害を調整する。これは最低エネルギー性能基準(MEPS)を実施させるための道となる。AHRIのデータベースと標準策定当局とを直接リンクしてコストをかけずにAHRIは解決策を導いている。
また世界的に認知され、産業界からも尊重されている認証プログラムを実行することにより、公平な競争と正確なレーティングを保証している。AHRIは60年以上にわたって認証プログラムを実行しており、認証した製品は宣伝通りの性能が出ていることを保証している。認証プログラムは独立したものとして管理している。
JARN:AHRIは4月にブラジルとエジプトのエネルギー効率基準の草案に対してコメントを提出した。最低エネルギー性能基準(MEPS)を定めるに当たり、AHRIはこれらの国を支援しているが、どのような製品を対象と考えているのか。
ユーレクCEO:ブラジルでは住宅用ユニタリーエアコンとヒートポンプ、エジプトでは業務用冷凍冷蔵機器であった。AHRIのインターナショナル・テストおよびレーティング標準は、世界の消費者とエネルギー効率基準の策定者に対して、MEPSがうまく機能する制度設計、実行、および強化についての鍵を提供している。
AHRIの認証プログラムは、冷凍空調および給湯機器について、要求されるエネルギー効率に対して、正確で公平な評価をしている。これにより世界の標準策定者に使用されている。エネルギー効率方針を実施するに当たり、ブラジルとエジプトの担当官は、おおよそ400万の機器モデルの性能を検証するために、AHRIの認証製品性能ダイレクトリーからリアルタイムで性能のレーティングにアクセスすることができる。公に無料でアクセスすることができるAHRIのダイレクトリーは効果的な市場調査とMEPSの遵守を保証する価値の高いツールとなっている。
JARN:AHRIは6月にもエアコンの効率基準の草案についてチリとバーレーンにコメントを提出している。どのような製品を対象にしているのか。
ユーレクCEO:バーレーンは業務用空調機で、チリはユニタリーエアコンとヒートポンプであった。我々はバーレーンとチリに援助を申し出た。AHRIの認証プログラムとダイレクトリーの提供がなければ、市場に供給される製品を製造業者の効率要求に合致させるために、両国とも膨大な追加資源を必要としたであろう。
JARN:昨年サンパウロで開催された空調国際見本市(Febrava Show)でAHRIは南米地域への標準と認証プログラムの普及を図っていた。例えばラテンアメリカなどへ次の事務所を開設するプランはあるのか。
ユーレクCEO:この地域に代行または事務所を持つことを考えたこともあったが、現在そのような考えはない。AHRIはブラジルやコロンビアの冷凍空調の関係団体と密接に仕事をしており、これらの産業界はAHRIの代わりもよく務めてくれている。次のFebrava showに参加して、産業界に共通した課題に共に取り組むことを楽しみにしている。
JARN:米国商務省(DOC)は7月の住宅着工件数を約150万戸と発表した。3か月連続しての増加であり、新型コロナウイルス感染拡大前の2月の157万戸に近づきつつある。住宅市場の力強い回復を示している。2020年の米国のエアコン市場のトレンドをどのようにみているか。
ユーレクCEO:住宅着工件数が増え始めたことを好ましく思っている。革新的でエネルギー効率の高い冷凍空調機器や給湯機を市場に供給できることをうれしく思っている。新型コロナウイルスやこれに関連した経済的混乱にもかかわらず、米国の需要は底堅さを保っている。しかし、初めの頃の工場閉鎖と安全要求の高まりによるサプライチェーンの崩壊により供給が少し遅れており、特に夏場の空調機がそうであった。この状況も早く解決して来る暖房シーズンには供給遅れが生じることがないことを願っている。
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