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No.675 2021年3月

米国カリフォルニア州 HFC冷媒に関する規制を決定
 米国カリフォルニア州の大気資源委員会(CARB)は2020年12月10日、‘定置式冷凍、チラー、エアロゾル噴射剤、および発泡剤におけるある種のハイドロフルオロカーボン(HFC)の使用を禁止する規制’を承認した。

 


 二酸化炭素(CO2)と同様に、HFCは地球温暖化を促進する温室効果ガス(GHG)と位置付けられており、モントリオール議定書のキガリ改正でHFCは規制対象とされた。米国は議定書を批准していないが、カリフォルニア州はモントリオール議定書を支持し、独自の規制を行っている。具体的には2016年に制定された上院法案1383では、HFCの排出は2030年までに2013年のレベルから40%削減することが明記されている。
 
 今回導入された規制によると、HFCの排出は2030年まで毎年CO2換算で約320万トン削減し、2040年までには合計で約6,200万トン削減するものと推定されている。カーボンの社会的コストを基にすると、産出される便益の合計は2040年までに17億ドル(約1,800億円)から72億ドル(約7,600億円)に達するものと見込まれる。
 
 CARBによる新たな規制は、主に冷凍および空調システムに係わる冷媒のGWPの許容上限値を定めたもので、表1の通りとなっている。VRFシステムのように容量の大きな空調機に対しては、規制の施行が遅れることになる。このような大容量システムに適した低GWP冷媒は微燃性であることが多く、使用するためにはその前にカリフォルニア州の建築基準を改正する必要がある。
 
 さらに規制では、2023年と2024年においてカリフォルニアで新規装置に使用されるR410Aの総量のミニマム10%は再生冷媒とすることが求められている。この要求事項はルームエアコンと除湿機には適用されない。
 
 この規制において重要な方針は決定された。詳細については今後決められることになっている。この規制の導入により、ニューヨーク州など環境問題に高い関心をもつ米国の23州が、CARBの規制と同様のものを急いで制定するものと見込まれている。



表:カリフォルニア州大気資源委員会(CARB)による規制で定められたGWPの許容上限値

    

(準拠:CARBの規制条文)
注:*1最低蒸発温度による 
  *2この充てん量は新規の冷凍システムに適用され、新規チラーには適用されない


〔出典:JARN January 25, 2021〕


 過去の記事
 ■2020年11月号(No.673)はこちら
 ■2020年  9月号(No.672)はこちら
 ■2020年  8月号(No.671)はこちら

 ■2020年  5月号(No.669)はこちら
 ■2020年  3月号(No.668)は
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 ■2019年11月号(No.666)はこちら


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