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2021年度省エネ大賞
省エネルギーセンター会長賞
ダイキン工業株式会社「うるさらX」
No.683 2022年5月
1.はじめに
当社では2012年以来10年連続で省エネ大賞を受賞し社会に貢献するものづくりを目指しています。
2021年度は、家庭用部門において、当社ルームエアコン「うるさらX」の給気・排気換気での省エネ効果と新しい方式のリニアハイブリッド除湿の除湿効率が評価され、省エネ大賞 省エネルギーセンター会長賞を受賞いたしました。
写真:受賞写真
受賞商品の主な技術的な特長は、
<1> 「冷房」「暖房」しながら省エネな換気の実現(給気、排気)
<2> 業界初の省エネ除湿コントロール技術の開発
の二点となります。
写真:ENEX会場での当社展示コーナー
2.技術的な特長
エアコンに搭載された「換気」の進化
■エアコンによる給気換気・排気換気のしくみ
まず、エアコンによる換気の機能のしくみは、(図1)で示すような空気の流れで換気を行います。
給気換気では、エアコンの室外機の上に換気ユニットをプラスし、ユニットから屋外の新鮮な空気を取り込み(図2)、室内機へ送ります。送られた空気は、熱交換器に通して温度を調節し、エアコンの風にのせてお部屋へ、冬場では、寒さを気にせずに、換気ができます。
また、排気換気の場合は、換気ユニットの切替ダンバーをつかって、換気の風の流れる方向を切り替えて、室内で吸い込んだ空気を室外機から、屋外へ吹き出します。
■エアコンによる給気換気・排気換気のしくみ
まず、エアコンによる換気の機能のしくみは、(図1)で示すような空気の流れで換気を行います。
給気換気では、エアコンの室外機の上に換気ユニットをプラスし、ユニットから屋外の新鮮な空気を取り込み(図2)、室内機へ送ります。送られた空気は、熱交換器に通して温度を調節し、エアコンの風にのせてお部屋へ、冬場では、寒さを気にせずに、換気ができます。
また、排気換気の場合は、換気ユニットの切替ダンバーをつかって、換気の風の流れる方向を切り替えて、室内で吸い込んだ空気を室外機から、屋外へ吹き出します。
図1.給気時・排気時
図2.新線な空気を取り込む
■換気の技術
1)換気風量を確保する技術の開発(高静圧ターボファン、DCモーター)
一般的な換気扇でよく利用されるプロペラファンでは静圧が低く、シロッコファンでは製品サイズが大型化する課題があります。換気ユニット内部に高静圧ターボファンを開発し小型で高静圧な換気ファンの技術で換気とエアコン空調との両立をかなえました。
1)換気風量を確保する技術の開発(高静圧ターボファン、DCモーター)
一般的な換気扇でよく利用されるプロペラファンでは静圧が低く、シロッコファンでは製品サイズが大型化する課題があります。換気ユニット内部に高静圧ターボファンを開発し小型で高静圧な換気ファンの技術で換気とエアコン空調との両立をかなえました。
2)給気と排気を入れかえるダンパー構造
通常、給気、排気を行う場合はそれぞれに専用の風経路を設計するか、給排気の切り替えにはファンの逆回転などで対応されることもあります。本製品では、追加のファンやダクトを設けずに、製品サイズや構造を大幅に変更することなくダンパーで風経路を切り替えてコンパクトなスペースに収まるように設計しました。
3)換気を活用した機能展開
エアコンでの換気を活用した機能として、給気換気では、冷暖房しながら給気換気を行い快適なまま換気できる空間を提案しております。また排気換気では、お部屋の熱気や湿気、においが気になる時にご利用いただけるように便利な機能を搭載しています。
通常、給気、排気を行う場合はそれぞれに専用の風経路を設計するか、給排気の切り替えにはファンの逆回転などで対応されることもあります。本製品では、追加のファンやダクトを設けずに、製品サイズや構造を大幅に変更することなくダンパーで風経路を切り替えてコンパクトなスペースに収まるように設計しました。
3)換気を活用した機能展開
エアコンでの換気を活用した機能として、給気換気では、冷暖房しながら給気換気を行い快適なまま換気できる空間を提案しております。また排気換気では、お部屋の熱気や湿気、においが気になる時にご利用いただけるように便利な機能を搭載しています。
リニアハイブリッド除湿「多段階電子膨張弁」の技術開発
当社では、これまで、住宅の省エネ化にあわせて、冷房の負荷が小さくても、効率よくしっかり除湿できる技術の開発に取り組んでまいりましたが、ステイホーム生活で、求められる除湿の目標が変わってきました。
季節を問わず、定期的な窓開けが習慣になったことや、在宅の長時間化や室内での衣類乾燥により、お部屋の湿度は大きく変動するため、最適に対応できる湿度コントロールが必要だと考えました。
当社では、これまで、住宅の省エネ化にあわせて、冷房の負荷が小さくても、効率よくしっかり除湿できる技術の開発に取り組んでまいりましたが、ステイホーム生活で、求められる除湿の目標が変わってきました。
季節を問わず、定期的な窓開けが習慣になったことや、在宅の長時間化や室内での衣類乾燥により、お部屋の湿度は大きく変動するため、最適に対応できる湿度コントロールが必要だと考えました。
■除湿の技術
1)多段階電子膨張弁
主な特長は、室温変化させずに、負荷にあわせて除湿量をコントロールできる技術です。
従来型の再熱除湿では、冷媒流量が一定で固定されているためた必要な除湿量が多い時も少ないときも調節できず消費電力の無駄がありました。新開発の除湿弁は、室温を一定に保ちながら冷媒量をリニアに切り替え負荷に合わせて最適な冷媒流量で運転するので運転のロスが少なく高効率の除湿運転が可能です。
膨張弁の内部は、二重の可動弁があり室内の空調負荷にあわせて冷房、弱冷房、再熱除湿とその過渡状態でのコントロールも行います。
1)多段階電子膨張弁
主な特長は、室温変化させずに、負荷にあわせて除湿量をコントロールできる技術です。
従来型の再熱除湿では、冷媒流量が一定で固定されているためた必要な除湿量が多い時も少ないときも調節できず消費電力の無駄がありました。新開発の除湿弁は、室温を一定に保ちながら冷媒量をリニアに切り替え負荷に合わせて最適な冷媒流量で運転するので運転のロスが少なく高効率の除湿運転が可能です。
膨張弁の内部は、二重の可動弁があり室内の空調負荷にあわせて冷房、弱冷房、再熱除湿とその過渡状態でのコントロールも行います。
2)リニアハイブリッド除湿の省エネ制御
従来型の除湿では快適性と省エネ性の両立が困難な条件がありました。再熱除湿方式では快適性は高いのですが、運転効率が圧縮機の性能に起因し消費電力が大きくなります。また、弱冷房除湿では、条件により寒くなってしまう場面がありました。今回開発した新しい除湿技術では、圧縮機と除湿弁(多段階電子膨張弁)を合わせてコントロールすることで、電気代を抑えながら室温変化させずに除湿運転を行うことが可能です。圧縮機を低速で動かして電気代を抑えながら、新開発した除湿弁で冷媒の圧力を最適に下げ、冷たい冷媒を作り出し蒸発させて、室温低下させず除湿することを可能にしました。
従来型の除湿では快適性と省エネ性の両立が困難な条件がありました。再熱除湿方式では快適性は高いのですが、運転効率が圧縮機の性能に起因し消費電力が大きくなります。また、弱冷房除湿では、条件により寒くなってしまう場面がありました。今回開発した新しい除湿技術では、圧縮機と除湿弁(多段階電子膨張弁)を合わせてコントロールすることで、電気代を抑えながら室温変化させずに除湿運転を行うことが可能です。圧縮機を低速で動かして電気代を抑えながら、新開発した除湿弁で冷媒の圧力を最適に下げ、冷たい冷媒を作り出し蒸発させて、室温低下させず除湿することを可能にしました。
3.おわりに
COVID19時代の空調の使われ方を分析し、省エネ効果を高める利用を提案してまいります。
「うるさらX」の換気機能では、例えば窓開け換気と比べてエアコンの給気換気は室温変化なく換気ができるので省エネ効果が高く、除湿機能では、当社の従来機と比べると10%の除湿効率のアップに結び付きます。
これからも年間を通じて、安心で快適な空気環境を提供していきたいと考えております。
当工業会の省エネ大賞の受賞会社はこちらから
その他受賞企業は以下からご覧いただけます。
一般財団法人省エネルギーセンター ホームページ
COVID19時代の空調の使われ方を分析し、省エネ効果を高める利用を提案してまいります。
「うるさらX」の換気機能では、例えば窓開け換気と比べてエアコンの給気換気は室温変化なく換気ができるので省エネ効果が高く、除湿機能では、当社の従来機と比べると10%の除湿効率のアップに結び付きます。
これからも年間を通じて、安心で快適な空気環境を提供していきたいと考えております。
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その他受賞企業は以下からご覧いただけます。
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