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2021年度省エネ大賞
経済産業大臣賞 ダイキン工業株式会社「machiマルチ」
No.683 2022年5月
製品・ビジネスモデル部門
リモートワークなどの小部屋に対応できる個別運転エアコン「machiマルチ」
羽東公一(右、執行役員 生産本部副本部長)
1.背景・製品概要
リモートワークの浸透やソーシャルディスタンスの確保といった世の中の変化に伴い、オフィスや店舗での個室・小部屋ニーズが増加しています。しかし一般的な業務用空調はこうした小さな空間での使用を想定して設計されておらず、必要容量に対する空調能力が過大であるため、10㎡以下の小部屋で運転すると消費電力が大きくなってしまうという課題がありました。そこで、当社は「小部屋での省エネ性強化」「室外機のコンパクト化」「省工事と施工品質の安定化」をコンセプトとした、新しい『machiマルチ』シリーズを開発しました。
写真1:個室・小部屋における個別空調
2.主な技術特長
(1) 小部屋での省エネ
当社独自の高効率スイング圧縮機の搭載、圧縮機の低回転時にも安定した運転精度を維持するための制御性向上、必要能力をリアルタイムで把握して冷媒温度を最適化するVRTsmart制御、新設計の高効率ファン、専用設計した業界最小容量の室内機、といった省エネ施策の組み合わせにより、10㎡以下の小部屋での運転においては従来機と比べて約50%の消費電力量低減※を達成しています。また小部屋に適した能力で安定した運転ができることから、室内温度の変動が抑制され、サーモON/OFFによる圧縮機の発停回数が30%低減※しました。これにより省エネ性はもちろん快適性も大幅に向上しています。
※【想定条件】
・負荷条件/10m2小部屋1部屋、冷房JIS標準条件、設定温度25℃
・想定システム/ (従来機)室内機 FXYKP22CB×8台接続、1台運転 室外機 RXTP160DA×1台
(新機種)室内機 FXYKP16CS×8台接続、1台運転 室外機 RXTP160F ×1台
写真2:スイング圧縮機内部構造
(2) 室外機のコンパクト化
ファンの徹底的な改良と、熱交換器の冷媒偏流抑制による高効率化で、室外機を大幅にコンパクト化することができました。業界最小かつ最軽量の室外機(製品高さ823mm、製品重量80kg)となり、生産搬入及び廃棄時など、製品のライフサイクル全体を通して環境負荷低減に貢献します。
写真3:室外機サイズの変化
(3) 高品質で安心な施工をサポート
室内機と室外機をつなぐ連絡管の継手「ダイキンフレアレスジョイント」を新たに開発し、空調機メーカーで初めて標準搭載しました。冷媒配管を差し込み、レンチで締め付けるだけで作業のほとんどが完了するため、フレア加工を要する従来の配管施工より約14%施工時間を短縮できます。また「抜けない」「漏れない」構造で、作業者のミスや技量不足による冷媒ガス漏れのリスクも低減させます。
3.おわりに
今後も省エネ性のさらなる向上はもちろん、市場の変化をとらえてお客様の新たなニーズにいち早く応える製品を開発し、社会に貢献していきます。
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