コロナ禍で海外赴任、中国・大連到着後、ホテルへ連行からの28日間の隔離生活。日本冷凍空調工業会 安田部長による中国・大連駐在記をお届けします。では後編
管工機材・設備総合展見学に行きました
No.693 2023年9月
7/25~27の会期で開催された管工機材・設備総合展に見学、視察を行いましたので、当日の様子をご報告いたします。
展示会名:第55回 管工機材・設備総合展
共 催:東京管工機材商業協同組合
会 場:東京ビッグサイト南1・2ホール
会 期:2023年7月25日(火)~27日(木)
キャッチコピー:未来へつなげよう 自然と技術を結ぶ 設備展
写真1:管工機材・設備総合展会場前
茹だるような暑さが続いている7月末、意識せずとも耳に残るセミの鳴き声に体感温度を2℃ほど上げながら、展示会担当として勉強の一環で東京ビッグサイトを訪れました。(写真1)
ここ数年は茨木や千葉で音楽に心酔していた私ですが、それ以前はお盆を東京ビッグサイトで友人知人の手伝いをして過ごしていました。炎天下の中、今か今かと開場を待つ来場者を横目に先入場する時ですら倒れそうになっていましたが、この日はそれ以上に酷暑だと感じました。(写真2)
写真2:会場上図
管工機材・設備総合展 全体概要
約150の企業等が、パイプ(管)、継手、給排水器具、バルブ、ポンプ、空調・給湯・厨房機器、衛生陶器、工具など、多岐にわたる最新の技術、商品を一堂に集めて展示します。
工事・製造・販売の各関係業界、官公庁・学校・学生、マンション管理や住宅リフォームに関心のある一般の皆様に、広くお役立ていただける絶好の機会です。(パンフレット抜粋)
弊会も協賛として名を連ねており、特設ステージでトークショーを開催する国民的アイドルグループに会いたかったものの都合が合わずに断念、会期二日目に来場する結果となりました。
当工業会会員企業からも、アサダ、荏原製作所、ダイキン工業、日立グローバルライフソリューションズなどがブース出展を行っておりました。
写真3:会場入口
2.来場システムおよび会場導線について
事前に個人情報を登録することは行わず、招待券にある所属欄にチェックをつけて、現地入り口でスタッフに提出をするだけで入場することができました。
QRコードの読み取り等なく、スタッフの手作業になるので作業者の技量によっては列を形成することになるかもしれませんが、個人情報を取得する手間を省くことによって簡易的に入場対応を行うことができると感じました。(写真4)
写真4:会場内・順路
この展示会はHVAC&R JAPAN(以下、HVAC)と異なり、順路が固定されていて、一方通行で回る仕組みでした。HVAC規模の展示会ですと実現はなかなか難しいですが、本展示会の規模であれば順路を固定することで、来場者が必ず全ブースを目の中に入れることができるため、ビジネスマッチングの機会を喪失することがなく、良い取組だと感心しました。
3.冷媒配管に大・大革命!!冷媒銅管用ワンタッチ継手 ノンフレジョイント
私が関心が持ったのは㈱タブチが出展していた冷媒銅管用のワンタッチ継手である「ノンフレジョイント」という製品です。こちらはフレア加工無しで簡単施工が可能により、①冷媒漏れの心配なし②施工時間短縮③ワンタッチ接合という特色があります。特に③に筆者は興味を抱きこの度取り上げさせていただきました。(写真5・6)
写真5:ノンフレジョイント
本製品は、熟練の技術者にとっては不要なものかもしれませんが、この世界に入った若手が安全に作業を完遂できるための部品であることは、ひいては冷凍空調業界の発展につながると感じました。
と言いますのも、①ワンタッチ継手のため特殊技能不要②機器に直接接続可能なのでフレア加工が不要で加工の失敗による漏れのリスク低減であることから、工事品質の安定化の実現が可能となります。
写真6:設置されたノンフレジョイント
HVACでも過去に学生プログラムを通じて若い風を業界に取込み、より発展させる取組を施策として実施してきましたが、業界に入る人材はもちろんのこと、業界に入った若手を長く定着させることも大切です。技術の一律化はなかなか難しいことですが、本製品のような部品を用いることで技術取得が容易になるのであれば、人材育成の観点からも学ぶべきところがあると感じました。
上記製品の他にも銅管に「ワンタッチ挿入」で施工が完了する冷媒銅管用ワンタッチ継手「エフ-1(ワン)」(日本銅センターJCDA 0012認定品)やデザインと機能でグッドデザインを受賞した洗濯/散水用 水栓コンセント「フラット」シリーズなど流体を技術でつなぐ製品を多数扱っておりました。
この業界に入って意識して機種やメーカーを見るようになったので、今後は部品単位でも注視していきます。
4.結びに
順路の最後に休憩スペースと食事処が併用しているのも面白い取り組みでした。この日のような炎天下では外に食事に行こうにも会場外に出ることは億劫になります。会場内で休憩と食事が共にできるとすると、来場者(出展者)への配慮につながり、ひいてはホスピタリティの充実ができるのと感じました。(写真7)
写真7:休憩スペース内に配置されたキッチンカー
管工機材に興味のない人たちにも来場いただこうという取組は、業界の維持・発展のために大切なことだと感じつつ、少しばかり気温が下がった夕方過ぎ、帰路につきました。
少しでも体温を下げようとイヤホンから流れる音楽に耳を傾けながら、週末に何をやろうか思いを馳せるのでした。
以上