海外の冷凍空調関連の気になるNEWをピックアップし、掲載していきます。 1.パナソニックがプロパンヒートポンプを新たなレベルに引き上げるパナソニックは
新製品に適用される冷媒に対する新たな目標が設定されました
No.697 2024年5月
2024年3月22日に開催されました、経産省産業構造審議会のフロン類等対策ワーキンググループの参加報告になります。
国内ではオゾン層保護法によりフロン類の製造・消費量(CO2換算)の削減計画が進められています。この目標達成に向けて、毎年フロン類を使用している出荷製品群毎に適用される冷媒の地球温暖化係数(GWP)の目標値とその達成時期を追加設定する審議が経産省産業構造審議会のフロン類等対策ワーキンググループにて行われています。
本年度は2024年3月22日に開催され、新たに下記製品群に対し新製品に充塡される冷媒の地球温暖化係数達成目標及び達成目標年度が設定されました。
①床置型等の店舗用エアコン
②空調用チリングユニットを除く中央方式エアコンディショナー
③GHP(新設及び冷媒配管一式の更新を伴い、冷暖切り替え式を除くもの)
④設備用エアコン(新設及び冷媒配管一式の更新を伴い汎用、工場用を除くもの)
⑤中央方式冷凍冷蔵機器(有効容積が5万㎥以上の新設冷凍冷蔵倉庫向け以外のもの)
また、今後の指定区分を細分化していく必要性がなくなった製品群については,各々の目標年度に到達した段階での「大括り化」も提案されました。現在、省令・告示の公布に向け検討が進められています。
本年度は、特に微燃性冷媒採用のビル用マルチエアコンについて、約5年間のステークホルダー各位との協議を継続してきた成果として、A2L冷媒対応の製品発表が行われ,今年2月に開催されたHVAC&R JAPAN2024展示会において、製品展示がなされました。
また、各種製品群における低 GWP 冷媒化及び普及に向けて、適切な安全対策のためのJRA 規格やガイドラインの整備を実施しています。
フロン類の製造・消費量規制は、CO 2 換算で2024年には基準年の40%削減、2029年には70%削減、2036年には85%削減と決められているため、上記目標の着実な達成に向けた検討及び目標の更なる低減への見直しなどが継続的に進められています。
現状使用しているフロン系冷媒以上の性能と安全性を有する冷媒が明確になっていない製品群が多い状況下ではありますが、機器メーカ及び冷媒メーカにおいて、現在も目標達成に向けたもう一段上の対応に向けて鋭意検討を行っており、関係の深い皆様のご協力を得ながら、フロン類の製造・消費量規制の遵守及び市場混乱を回避できるよう更に検討を加速していきたいと考えています。
以上