【製品・ビジネスモデル部門】世界初の水素を燃料とした吸収冷温水機RHDH型 写真1 省エネ大賞表彰式 1.はじめに地球温暖化の原因として考えられている温
20代の大半を過ごした愛すべき国・ベルギー「私の海外駐在記~ベルギー(前編)」ダイキン 小山
No.703 2025年3月
ダイキン工業株式会社 小山様の海外駐在記をお届けします。では前編スタート!
※こちらの駐在記は前職での内容となります。
過去の海外駐在記はこちらから
1.はじめに
2024年6月から当工業会政策審議会長としてお世話になっております!ダイキンに転職する前の話ですが(笑)、海外とは無縁だった26歳の若者が、5年間、異国の地で孤軍奮闘した歴史をご紹介いたします!
2.ひと言で人生が激変!?
もともと電気系設計者だった私は、当時、日本企業も対応を迫られていた製品含有化学物質規制(RoHS指令)の影響で鉛フリーはんだへの切り替えを担当したことから、欧州規制の調査・対応も担当するようになっていました。
そんな中、2004年12月、当時所属していた一般社団法人日本計測器工業会(JEMIMA)の委員会活動の一環で、の現地調査をするということで、英国・ベルギー・ドイツを訪問することになり、その一員として私も初めて欧州を訪れました。
写真:駐在のきっかけとなった欧州訪問
(左から3人目が筆者)
ベルギーの首都ブリュッセルで、日冷工も大変お世話になっているJBCE(在欧日系ビジネス協議会)を訪問した際、私は勢い余って「情報の最上流である、ここで仕事がしたい」と言ったことだけは覚えていますが、まさにその一言で、2005年8月からブリュッセルに駐在することになりました。
もちろん、ここでは書けないことがたくさんあって(いや、本当にたくさんの方々のご助力のお陰で・・・)、当時所属していた会社は26歳になる若者をブリュッセルに初代で送り出してくれました。(いまも6代目が赴任されています)
自分で言ってしまいますが(笑)、ある時代は“RoHS指令と言えば小山”。その界隈では超有名人。今でもググれば名前が出てくるほど。JBCE事務局員でもありましたので、セミナーに呼ばれてお話した機会も数知れず。20代後半は、チャンスと苦労、おまけに天狗(笑)、全部経験したのも、愛すべきベルギーでの5年間でした。
写真2:欧州委員会本部(REACH規則が出来た当時)
3.仕事以前に、生活面のサバイバルはじまる・・・
当時所属していた会社にはブリュッセルに法人がなかったため、家探し(のための会社)から銀行口座開設、生活の立ち上げに至るまで会社のサポートは当然なく、「ベルギー生活便利帳」(これ、駐在経験された方には馴染み深いものかと思います!)を片手に、ブリュッセルで知り合った方々を頼りに色々と教えてもらいながら、なんとか生活環境を整えるところからスタート。
家の契約、電気・ガス・水道、電話にインターネット、、、今ならインターネットで何でもできる時代ですが、当時そんな訳もなく。当時の私は英語も、フランス語もほとんど出来なかったので、今思えば、無謀そのもの。それでも何とか生活はしていけるようになっていきました。
ブリュッセルでの生活を初めて数か月がたったある日、自宅ポストに1通の封書が届いており、送り主は「・・・justice・・・」の文字。ん?裁判所?? レターは全文フランス語。スマホもない時代、頼りの電子辞書片手に単語を1つ1つひも解きながら判明した内容は、、、
「家賃が未納になっているので、今すぐ家主に支払うか、裁判所へ出頭せよ」
ゾッとしたことを今でも覚えています。手続きに抜けがあったものの、なんとか対応したので事なきは得ました。
現地法人もないので黙っていても誰も助けてくれない。とにかく自力で調べて周囲に頼っていく。遠慮していたら生きていけない。文字通りのイチからの立ち上げに四苦八苦しましたが、結果として、サバイバルを生き抜く力は身につきました。
4.仕事もサバイバル!?
「君は、野球で言えば日本では4番打者だったかも知れない。しかしここはメジャーリーグ。4番は無理でも、レギュラーメンバーにはならなければならない」。
当時、後に恩師にもなる方から、着任早々に言われた言葉です。
今思えば、20代の若者が世界中から百戦錬磨集いし場所でプロとして仕事をしようなんぞ、無謀以外何ものでもなく。
当時、日系企業からブリュッセルに出向されていた方は、ほとんど40代。それも部長・課長といった役職者。知識も経験も豊富。そんな中に、ポツンと26歳の若者がひとりで来て、同じ組織でもないのに、手取り足取り、優しく仕事を教えてくれる訳がありません。
私は研修生ではなく、会社や工業会を代表する駐在員。その自覚と覚悟を十分に持たないまま着任してしまったため、おそらく社会人としてするであろう、ありとあらゆる苦労を最初の1-2年はしまくったのだと思います。
・・・さて、前編が盛り上がってきたところで、後編に続きます。お楽しみに…
■アメリカ駐在記 (パナソニック 札場様)
■マレーシア駐在記 (ダイキン 原田様)
■中国駐在記 (日冷工 安田)
■アメリカ駐在記(サンデン・リテールシステム 柳澤様)
■トルコ駐在記(ダイキン 今泉様)
■ドイツ駐在記 (パナソニック 小林様)
■インド駐在記 (日冷工 波多野)
■中国駐在記(日冷工 大井手)
■インドネシア駐在記(パナソニック 菅沼様)
■ブラジル駐在記(日立JC 佐々木様)
■台湾駐在記(荏原冷熱 勇様)
■中国・マレーシア駐在記(日冷工 長野)
■ロンドン駐在記(三菱重工 笠原)
■ノルウェー駐在記(日冷工 坪田)
以上