【製品・ビジネスモデル部門】世界初の水素を燃料とした吸収冷温水機RHDH型 写真1 省エネ大賞表彰式 1.はじめに地球温暖化の原因として考えられている温
2024年度省エネ大賞
省エネルギーセンター会長賞
ダイキン工業株式会社
No.703 2025年3月
製品・ビジネスモデル部門
空調遠隔監視と先回り熱負荷予測による省エネ『エアネットサービスシステム』
図1:エアネットサービスシステムの遠隔自動省エネ制御 概略図
1.はじめに
カーボンニュートラルの実現には、国内建築物総面積の半分以上を占める中小規模のビルの省エネ化を推進することが重要視されています。現在、中小規模のビルのうち約80%以上※1において、個別分散方式の空調機(パッケージエアコンなど)が採用されております。空調機の省エネは、使用年数が経過した機器を高効率機に更新するだけでなく、運用中における省エネ対策も重要です。しかし、運用中のパッケージエアコンでは、有効な省エネ手法が少ないという課題があります。当社は、天候や日射などの外部情報とAIを活用することで、快適性を損なうことなく空調機の省エネを実現する新たな手法を開発し、この度2024年度 省エネ大賞省エネルギーセンター会長賞を受賞いたしました。
※1 総床面積規模別 空調方式の採用割合(一般社団法人日本ビルヂング協会連合会の「2023年度ビル実態調査の概要」より)
写真1:受賞風景
2.技術的な特徴
本サービスは、24時間365日空調機を見守り続ける遠隔監視サービスです。その仕組みを活用し、空調機を遠隔から自動制御することで省エネ性と快適性の両立を実現します。以下に示す(1)~(3)を定期的に実施することで、冷やしすぎや暖めすぎなどのムダな運転を防ぎます。
(1)熱負荷状況の自動学習
日々の天候や使用環境によって変化する空調機の運転データをクラウド上に蓄積し24時間365日、空調機の熱負荷状況を自動で学習し、建物別の熱負荷モデルを構築します。
(2)建物の熱負荷予測
10分後の外部情報(天気や日射など)と熱負荷モデルによって10分後の建物の熱負荷を予測します。
(3)遠隔自動制御
予測した建物の熱負荷に応じて空調機を遠隔から自動制御し、冷やしすぎや暖めすぎなどのムダな運転を抑えることで、快適性を保ちながら省エネを実現します。
この仕組みにより、国内外30件の検証物件において、快適性を低下させることなく、消費電力量を通年最大約20%※2削減しました。
※2 オフィス用途の建物における、1年間(冷房・暖房)の検証結果(当社2015年以降販売の業務用マルチエアコンとの比較)
図2:遠隔自動省エネ制御の仕組みと消費電力量の削減効果
3. おわりに
世界的な環境意識の高まりから、カーボンニュートラルへの取り組みが一層加速しています。当社は、本案件にとどまらず、多様な市場ニーズやお客様の声を商品開発に反映し、あらゆる用途に対応できる新たなソリューション開発に挑戦することで、社会に貢献してまいります。
以上
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