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第1章 空気調和のあらまし |
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1.2 空気調和とはどのようなものでしょうか |
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人をとりまく物質的な環境としては,まず衣服がありその周囲に空気があります。そして居住する部屋があり,そこにはいろいろな器具・設備があります。快適な環境を考える時,やはり一番重要なものは人の生命の源である空気といえます。では,この空気とはどのようなものなのでしょうか。
(1) 空気の成分と人への影響
我々が生活しているところの標準的な空気の成分は,体積で分けると窒素(N2)が 78 %,酸素(O2)が 21 %,その他(アルゴン・炭酸ガス・ネオン・ヘリウム・メタン等)1%となっています。この成分と比率は人間にとって非常に大切な役割を持っています。
また,普段は気にもしていませんが,空気にも重さがあります。26 ℃で湿度 50 %の空気1m3 の重さは 1.16 sになります。(これを「空気の密度」といい,単位は〔s/m3〕で表します。)
(2) 「乾き空気」と「湿り空気」
先に記した空気の成分は,正確には乾き空気の成分で,これは自然界には存在しません。自然の空気はその中に必ず水分を含んでいます。この空気を湿り空気と呼び,水分の比率は天候や気温などの気象条件によって変化します。