冷媒HFC(R410AおよびR32)採用機種の施工上のポイント
エアコン設置の基本的な作業手順は従来(R22)機種と同じですが、冷媒HFC(R410AおよびR32)採用機種の設置においては下記の点にご注意ください。
- 作動圧力がR22機種に比べ約1.6倍と高いため、一部の配管部材および据付・サービス用工具類が専用となります。
- R410AおよびR32機種はR22機種以上に、配管内への異物(油分、水分など)混入に十分ご注意ください。また、配管の保管時は開口部をピンチ、テーピングなどで確実にシールしてください。
- R410AおよびR32機種の冷媒充てんは、気相・液相の組成が若干変化することを考慮し、必ず液相側から冷媒充てんを行ってください。
- R22機種をR410AおよびR32機種と取り替える場合は、冷媒の化学的特性および冷凍機油が異なりますので、新規の冷媒配管をご使用ください。
- R32(他のフロンガスも同様)は、空気より重いので底部(床面近傍)にたまる傾向があります。室内、底部に充満すると、R32であれば燃焼濃度に至る可能性があります。燃焼の回避のためにも適切な換気を行って作業環境を保つようにしてください。特に、地下室や密閉された部屋では、危険性が高く、局所換気装置での換気を行ってください。もし室内や換気が十分でないところで、冷媒漏れが確認された場合、適切な換気が行われ作業環境が改善されるまでは火気を使用しないでください。
冷媒配管材料について
【冷媒用部材】
- フレア配管セット(フレア加工付き)
- 被覆銅管(フレア加工なし)
(1)保温材表面に、「銅管肉厚」、「対応冷媒」の記号が表示されています。
【銅管肉厚の表示】
【対応冷媒の表示】
肉厚(mm) | 表示記号 | 対応冷媒 | 表示記号 |
---|---|---|---|
0.8 | 0.8 | 1種 R22,R407C | |
1.0 | 10 | 2種 R410A,R32 |
(2)梱包外装でも識別できるよう、表示されていますので確認してください。
[ 外装ケースの表示例 ]
1種、2種兼用タイプ
対応冷媒:R22,R410A,R407C,R32
銅管口径:×肉厚:6.36×0.8/9.52×0.8
据付・サービス用工具について
【製品本体・部材】- R410AおよびR32機種は他冷媒の誤封入防止のため、室外ユニット操作弁のサービスポート径を変更しています。
(口金サイズ:7/16 UNF、20山→1/2 UNF、20山) - 耐圧強度の確保のため、フレア拡管寸法およびフレアナット寸法を変更しています。
【工具の転用】
工具(R410A用) | R32機種への 使用可否容 |
---|---|
ゲージマニホールド | |
チャージホース | |
冷媒充てん用電子はかり | |
トルクレンチ |
(呼び径1/2,5/8) |
フレアツール(クラッチ式) | |
真空ポンプ用アダプタ | |
ガス漏れ検知器
(HFC冷媒専用) |
※
なお、「冷媒ボンベ」は、冷媒名の表示とプロテクター塗装色が米国のAHRIの指定色(R410A:桃色、R32:ライトブルー(現在申請中)になります。
また、「冷媒ボンベ用チャージ口とパッキン」についても、チャージホースの口金サイズに合わせて、1/2UNF20山のものが必要です。