久しぶりの海外駐在記の更新です!(パチパチ)。コロナ禍での海外赴任、アメリカでの入院事情や天然の過冷却現象。カルチャーショック満載のサンデン・リテール
サンデンわくわく自販機ミュージアム見学レポート
No.686 2022年9月
今回は、当会職員が工場見学で訪れたサンデンわくわく自販機ミュージアムレポートをお届け致します。
皆様、自販機にはどのような印象をお持ちでしょうか?手軽にいつでも物が買える、温かいドリンクと冷たい商品が販売している、軽食や本なども販売しているなどなど。
1.自販機との出会い
私は新卒入社の会社にて、上司に「君は物事の表側だけじゃなくて、裏側を考えた方がいい。例えば自販機。お金を入れてボタンを押して商品が出る間にどんな処理が行われているか考えるだけでも勉強だよ」と言われたことが印象に残っています。
この意識がしっかりと身についているかはさておき、これ以降自販機に対して一方的に意識するようになり、商品のラインナップや価格、機能を見たりすることが好きになりました。
そんな私が工場見学の一環でサンデンわくわく自販機ミュージアムを訪れることになりました。自販機が好きといっても各所に設置している機械を訪れるくらいのにわかファン。まさかの聖地巡礼に仕事ということを忘れて胸が高鳴ったことを今でも思い出します。
今回は時間の都合上、自販機の展示のみ見学しております。
サンデンわくわく自販機ミュージアムは、群馬県前橋市のサンデンフォレスト内にあります。詳しくサンデンフォレストへお問い合わせください。
※現在は校外学習や工場見学にお越しいただいた企業様への見学コースの一環となっております。校外学習は随時受け付けており、一般の方でも団体であれば要相談とのことです。
2.初めて見た自販機
■カップ式コーヒー自販機はHB10(エイチビーイチゼロ)
写真1:カップ式コーヒー自販機
縦にコインを入れる型と横に入れる型があることをこの記事を執筆中に気が付きました。
こちらのカップ式コーヒー自販機はHB10(エイチビーイチゼロ)という名前で、新三菱重工製です。
駅や漫画喫茶にある、今のカップ式コーヒー自販機とは違って、当時は4つほどの味しか選べなかったようですし、本体にHOT COFFEEと銘打っているので、おそらくはココアやミルクティーといった、甘い飲み物は買えなかったのかもしれません。まさに大人の味ですね。
■カネボウ ハリスガム
写真2:カネボウ ハリスガム
ガムの自販機は在庫が一目でわかる仕様になっています。残数が見える仕組みは瓶の牛乳を販売する自販機や駅構内に設置されている自販機では当たり前ですが、あちらは前に押し出される仕様。ハリスガムの自販機は落下式であるため一目で分かるといっても違いがあります。こちらの自販機は国栄機械製作所(現グローリー)製です。
余談ですが、こんなに小さいガムを3レーンで販売していたわけですが、ひと箱辺り何個入っているんでしょうね。
■瓶ドリンクの自販機
写真3:瓶ドリンクの自販機
こちらは世界初のスペース・トゥ・セール(複数のコラムを1つのセレクションで制御する機能)のできる搬出メカニズムを備えた瓶自販機です。1955年のVendo(ベンド)製のものです。
瓶自販機へのなじみが浅い私でしたので、この自販機は初見でした。
■瓶ドリンクの自販機(7種類)
写真4:ボーリング場でおなじみの自販機
こちらは主にボーリング場でよく見たのでなじみがあります。
説明があるまで気が付きませんでしたが、瓶を斜めに積み上げることで7種類の商品が販売できるようになっています。1972年の三共電器(サンデン・リテールシステム 以降 サンデンRS)製です。
高校生当時、月に1回友達と行っていたボーリング後に、缶ではなく瓶に入ったジュースで喉を潤すことで大人に近づいた気になっていました。瓶に入っていると、心なしか缶で飲むよりも炭酸が強く感じるんですよね。
■ホットとコールドの切り替え方式の自販機
写真5:ホットとコールドの切り替え方式の自販機
こちらは日本で初めてホットとコールドを切り替える方式を採用した自販機です。今となってはプラスチックのサンプルを展示する自販機がほとんどですが、実物の缶を見本として展示していたようです。ホットorコールド自販機は1972年三共電器(現サンデンRS)製です。
当時は10円、50円、100円硬貨のみ使用可能とのことで、気になって調べてみましたが、500円硬貨が登場したのは1982年からだそうです。当たり前のように使用していた500円硬貨はこの自販機が稼働している時はまだ存在していなかったということになります。
■うどんの自販機
写真6:うどんの自販機
小さい頃の夢の一つに、高速道路で夜に自販機でうどんかトーストかハンバーガーを食べるというものがありました。それから数十年経ち、この自販機が設置されていることが稀になってしまったため、叶わぬ夢になりつつあります。
一部の地域ではまだ現役稼働している場所もあるようですので、稼働を終える前に食してみてはいかがでしょうか。
写真7:パネル1
写真8:パネル2
実機の他にも現代の自販機の説明があり、過去の自販機に比べてどのように変化しているかを知ることができます。資源を大切に無駄にコストがかからないように改良されているのがわかります。省エネ化や耐震等、時代に即して自販機も日々進化しているのです。
■自販機の内部
写真9:自販機の内部
自販機の内部です。普段お目にかかれない姿です。
■タッチパネル採用の自販機
写真10:タッチパネル採用の自販機
こちらは一部イベントで使用されたタッチパネル採用の自販機です。画面に映る動物を触るとそれぞれの反応を返してくれます。こちらはイベント時に設置された自販機なので、全国的に普及していることがなく、この場所でしかお目にかかれない、非常にレアな使用の自販機です。
身近であって奥が深い自販機。
何気ない製品にも歴史あり。子どもから大人まで楽しめるマニアックな世界、ぜひ皆様も体験してみてはいかがでしょうか?
(日本冷凍空調工業会 鷲田・鳥山)
以上